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会員からのメッセージ研究会とともに、そしてこれから



研究会とともに、そしてこれから

(株)ライフライン工学研究所
河西 寛

 本研究会は発足から既に18年が経過し、今期2年目(平成23年度)には20周年を迎えることになる。私は幸運にも当時の上司の計らいで、発足年度より定例研究会や見学会等に参加する機会を与えてもらった。それから現在に至るまで、本研究会の一員として参加させて頂いている。当初12年間はもっぱら聴衆の一人であったが、座長が高田先生から澤田先生に交替になられた6年前より幹事として本会の活動に携わることになった。一聴衆から幹事に立場が替わったことを契機に、改めて会を運営することの大変さを感じている。20年間近く会の活動を発展・継続させてこられた先輩達の熱意と努力に頭が下がる。

 18年の歳月は、私個人の変化にとどまらず、私を取り巻く社会情勢にも大きな変化をもたらした。阪神淡路大震災以前は、関西は地震のない地域と誤解している人が殆どであり、耐震設計や地震防災の重要性を説明しても他人事として取り合ってもらえないことが多かった。一方、今とは違って公共投資や建設投資は右肩上がりの時期であり、ビックプロジェクトも数多く計画されていた夢多き華やかな時代であった。当然、建設業への就職を希望する学生も多く、豊富な人材が集まることによって企業の技術力や組織力も伸びていたと思う。

 阪神淡路大震災後の数年間は、関西でも耐震設計や地震防災への関心が驚くほど高まった。本研究会の活動も積極的かつ精力的であった。今年震災15周年を迎えたが、年々関心が低くなってきているようであり、残念である。また、バブル崩壊後、公共投資や建設投資の縮減が続き、企業の経営方針にも起因するが建設業に就職する学生が激減するとともに、他業種へ人材が大量流出した。その結果、企業の技術力や組織力は低下し、人材の育成、技術や知恵の継承が困難な状態に陥りつつある気がする。

 社会人としての現役生活も残りあと10年程になった。身の回りには殆ど若い技術者は居ないが、危機感と使命感を持って若手の指導・育成に努めていきたいと考えている。


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