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会員からのメッセージ東日本大震災を経て


東日本大震災を経て

NTTインフラネット

水谷 淳

 平成23年3月11日の東日本大震災の発生から1年と半年が過ぎ、混乱期の記憶は薄れがちになる頃ですが、NTTでは現在も設備の復旧、強化に鋭意取り組んでいるところです。震災直後の混乱期の様子を思い返してみると、NTTではグループ各社、関連会社がエリアを問わず全国から被災地に入り、電柱やケーブルの復旧、衛星公衆電話の設置、移動電源車による電源確保など、通信確保に向けての活動を実施して参りました。過酷な状況の中、「とにかくつなぐ、つなぎつづける!」という強い思いで、皆がまとまっていたように思います。
 私自身が関与した土木設備に関しては、河川を横断する橋梁添架管路などが、津波による橋の損傷に伴い被害を受けたことから、再発防止への取組みとして推進工法により河川を下越しする計画が立ち上がったため、その調査と設計のために岩手に現地入りました。現地には2週間ほどの滞在だったのですが、道路管理者、河川管理者の方々との協議等にあたらせていただきました。現地の行政関係の方々は、復旧活動で多忙にも関わらず大阪から支援活動に来ているということもあり、大変親切に対応して頂き、強く感激したことが印象に残っています。
 現在、推進工事に関しては、NTTグループが保有するエースモール工法により無事完了しています。エースモール工法は、下水道工事でも多くの実績があり、長距離、曲線施工を可能とした小口径推進工法です。このたびの震災復興では、岩手、宮城を中心に10箇所程度実施しました。河川下越しの過酷な条件のなか、推進延長が200mを越える箇所もありましたが、マシンを止めることなく竣工しました。このたび実施した河川下越しの推進工事は、津波被害を教訓にNTTとして施設の再構築を図ったものの一例といえます。
今回の震災を経て、私が思う今後の取るべき対策として、安否確認システムの強化が大切と考えます。NTTをはじめ通信各社では、阪神淡路大震災での混乱を教訓に災害用伝言ダイヤル等が整備されてきました。しかしながら、テレビなどの報道で親族の安否を確認するために各避難所を渡り歩く人が見受けられたことや、また私自身にも宮城県石巻市に多数の親戚が暮らしているのですが、地震発生後5日間にわたり安否の確認が取れず、非常に不安な日々を過ごしたことなど、大災害の混乱期こそ、確実な安否確認システムが望まれるということを痛感しました。そのためには、国民一人ひとりに安否確認システムの活用法を浸透させていくことが重要であり、行政と通信会社が一体となり取組むことが必要と考えます。

ライフラインは、人々の普段の生活を便利にする反面、その機能を失うことで一転して人々の生活は過酷な状況に陥ることになります。私たちライフライン技術者は、その重要性を再認識し、広く国民にアピールし、そして災害に強いまちづくりの実現に向けて今後も取組んでいくべきと考えます。

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