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会員からのメッセージ東日本大震災を経て


謙虚な姿勢を持ち続ける

一般財団法人 地域 地盤 環境 研究所

鶴来 雅人

 関西ライフライン研究会(LiNK)は平成4年(1992年)に発足以来,22年目を迎えることとなりました。LiNKの主要活動である定例研究会では,国内外で被害地震が発生するたび速報会を開催し,その地震動,地盤災害およびライフライン施設の被害状況などについて話題提供を行っています。下記は速報会を開催した国内の地震の一覧です。我国では21年間で14地震,平均的には1年6カ月に1回の割合で,被害地震が発生していることになります。

@1993年釧路沖地震(MJ:7.8)         A1993年北海道南西沖地震(MJ:7.8)
B1994年北海道東方沖地震(MJ:8.1)    C1995年兵庫県南部地震(MJ:7.2)
D2000年鳥取県西部地震(MJ:7.3)      E2001年芸予地震(MJ:6.4)
F2003年三陸南地震(MJ:7.0)         G2003年宮城県北部地震(MJ:5.5)
H2003年十勝沖地震(MJ:8.0)         I2004年新潟県中越地震(MJ:6.8)
J2007年能登半島沖地震(MJ:6.9)      K2007年新潟県中越沖地震(MJ:6.8)
L2008年岩手・宮城内陸地震(MJ:7.2)    M2011年東北地方太平洋沖地震(MJ:9.0)

 地震観測網が高密度化され,かつ種々の地盤条件の地点に地震計が設置されてきたことなどに起因して,大振幅の観測記録が得られるようになってきました。1993年釧路沖地震の釧路気象台では900cm/s/sを越える振幅を記録したほか,1995年兵庫県南部地震では神戸市から西宮市に掛けての細長い領域が史上初めて震度7と認定され,震災の帯と称されました。2004年新潟県中越地震では,川口町で最大加速度1,722cm/s/s(3成分合成)を,2008年岩手・宮城内陸地震では,KiK-net一関西観測点(IWTH25)で最大加速度4,022cm/s/s (3成分合成)を観測しました。この一関西観測点における記録は,上向きの地震動の振幅が下向きの2倍以上も大きいという特徴をしており,トランポリン効果とも呼ばれています。また,2003年十勝沖地震や2011年東北地方太平洋沖地震では長周期地震動が着目されました。地震観測記録の集積・分析により,これまで未解明であった現象,例えば,震源断層面におけるすべりの不均一性の特徴などが分かりつつある半面,まだまだ未解明な点も数多く残っています。

 これらの地震の被害の特徴も様々です。1995年兵庫県南部地震ではコンクリート構造物の被害,住宅密集地における家屋の倒壊や火災といった都市型の災害が顕著でした。一方,2007年新潟県中越沖地震や2008年岩手・宮城内陸地震は土砂崩れの発生やそれに伴う堰き止め湖の形成など,中山間地型の災害でした。また,1993年北海道南西沖地震や2011年東北地方太平洋沖地震では,津波により多くの人命や財産が失われました。

 地震動の特徴も被害の特徴も多種多様で一つとして同じものはありません。我々は1995年兵庫県南部地震の際,「自然に対して謙虚であらねばいけない」ことを学びました.慢心せず,謙虚な姿勢を持ち続けなければいけないと感じております。


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